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茶畑庵日乗 Diary From the Chabatake Hermitage

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2008年 10月 14日

昔はあばずれ今は聖母マリア

日曜日におかあさんから電話があった。引っ越ししたが実はそんなにあちこちにインフォメーションは出していない。年賀状でいいかな、と思っている。しかし虫の知らせなのか Synchronicityなのかどうかわからないが2年半振りにおかあさんから電話があった。

おかあさんとは実母ではない“おかあさん”と呼んでいるお世話になった女性の事だ。僕は、カメラマンの修業時代、下北沢の外人ハウス『葉隠荘』に住んでいた。遡る事16〜18年前の事だ。その外人ハウスは木造のアパートでかなり老朽化していた。そしてアパートと同じ敷地内に『小千谷』という小料理屋があった。おかあさんはそこの女主人だった。カウンターだけでお店で5〜6人でいっぱいになる。僕はこの店を食堂代わりに使っていて随分お世話になった。刺身や焼き飯をよく食べた。3年半くらい住んでこの外人ハウスが取り壊しになりアパートを出てすぐカメラマンとして独立し2年間世田谷代田に住んでその後駒場マンションに11年半住んで今回の引っ越しとなる。そんなこんなでおかあさんとは疎遠になっていた。

おかあさんと最後に会ったのは2006年2月の僕の写真展『十人十ゑろ』の時だった。おかあさんは足を悪くしていたので世田谷の家から写真展会場まで車で送迎した。

電話でのおかあさんの声はとてもしっかりしていた。僕がお世話になっていた頃は70歳だった。『小千谷』でおかあさんはよく自分の事をこう言っていた。

『昔はあばずれ今は聖母マリア』

仕事柄か40歳まで毎日の様にお酒を飲んでいたがやめたと言っていた事を思い出す。素行も落ち着いたんだろう。常連のお客さんの仲を取り持ったりもしていた。『小千谷』は確か35周年くらい続いていたと思う。今はもうない。実は僕もおかあさんに女性を紹介してもらった事がある。

今回お母さんは僕とその女性にも電話をしたという。僕はその女性とは付き合ったが別れ今は友達になって繋がってはいるがやはりそうは会わなくなっている。

おかあさんの電話を切った後、その女性にもひさしぶりに電話をしてみた。元気だった。おかあさんに会いに行こうとと言う事になった。近くいい再会が待っている。とっても楽しみだ。

おかあさん、幾つになったの?と尋ねると

87歳

と答えた。毎日午前中はプールに行って泳いでいると。

87歳というと大正10年生まれだ。(エイプリルフールに生まれた事も憶えている)

ハルオ君は幾つになった?

今年44歳(10/18がもうすぐ誕生日)

まだまだ若いね、いい人はこれから見付かるよと。

僕は最近決めた事がいくつかあるが100歳まで生きたいと思っている。100歳を目標に写真を撮るんだと。だからまだまだ序の口だ。近くおかあさんに会える。ポートレイトを撮る。昔付き合った女性も久しぶりに会う。そして前回あった時に撮った写真を渡す。





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by helloharuo | 2008-10-14 23:59 | FRIENDS


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