Friday 7 February 2014
主演は、入江 たか子。
先日観た「君と行く路」に出演していた美男子俳優佐伯秀男と清川玉枝がこの映画にも。
成瀬巳喜男監督に気に入られていたのに違いない。
この映画もたまたま観たが素晴らしい作品。
昭和12年の女性がどう生きようとしていたか垣間見れる。
「おいとまする時が参りましたわ」
「みなさんの冷たいお心が今日耐えられなくなったのです」
「私は可愛がっていただきました。でもそれは愛じゃありません。座敷の飾り物を大事にするのと何のかわりがあったでしょう。感謝して下さったのにもただ私がいたら便利だからです。それが愛でしょうか?」
「おわかりにならないのです。ご自分たちのご都合のいい様にお考えになるだけで誰の心も本当に分ろうとなさらないのです」
「家名より世間よりもっと大事なものが人の心にはあるはずです」
「私もっともっと苦しまなきゃいけないの。そして自分を作り上げ作り直して行くの。夢でもいいの。何が世の中で一番美しいかそれが分りさえすればいいの。ずるずるになっちゃいけないわ。仕方が無いじゃいけないわ。人間の中にはもっと尊いものがあるはずよ。私それをどこまでも追い求めて行くの」