人気ブログランキング | 話題のタグを見る

茶畑庵日乗 Diary From the Chabatake Hermitage

helloharuo.exblog.jp
ブログトップ
2011年 04月 15日

充実した日

2011年4月15日(金)

充実した日だった。
東京へ行く。
毎度毎度東京だが仕事以外で東京へ行くのは交通費が馬鹿にならない。
でも約束をしていた。それは、写真展に行く事だった。約束と行っても立ち話の口約束なのだが居意味があるしお世話になっているし、口先だけの挨拶で終わらせたくなった。だから東京へ行った。約束は果たしたい。当たり前の事だがそれが出来ない人がいかに世の中多い事か。そういう輩と同化したくない。

スケジュールを詰めた。
11時半にバスが新宿に着いた。駅前で立っていた団体に義援金を渡す。たいした金額ではない。小銭と数枚の千円札。そのお金は少し大きめのパケの中に入っていた。そして義援金箱の口にそのパケを入れた瞬間その義援金箱が小銭の重さで持っていた女性の手元から落ちた。小額だが"想い"は重い!?といったところか。ヨドバシに行きゴリラポッドを購入した。レジですぐパッケージを外して要らないものは捨ててもらった。早速ゴリラポッドを使用してみたがいい感じだ。

12時半 三鷹台にいた。
歯医者の予約をしていた。特に悪いところはなかったが定期検診の為だった。大震災の次の日の12日に予約していたがその日は、大震災ぐったり疲れていたし余震の恐怖ですぐさま静岡に戻ったから歯医者には行けなかった。幸い、検診の結果は、何も悪いところはなかった。時間帯的にお昼だったので午前お検診は、僕が最後だった。マスクを外した院長さんと院内で20分ばかり話した。この通ってる歯医者さんは、友人の紹介で知り合った人でとてもお世話になっている。正義感の話にもなったが正義感がある人は、ある意味弱い、感情的になりやすいと指摘された。それは、彼がそうだからとよく熟知しているようだった。その正義感のある人とは、僕の事だ。かっこつけて言う訳ではない。「正義感」というポイントより、「弱い、感情的になりやすい」というポイントだ。まさか院長さんと共通項があるとは思っていなかったので意外だった。人と会うという事は素晴らしい事だと実感した。院長先生の言葉は救いを感じた。

充実した日_e0067850_2337319.jpg


14時 四谷三丁目にいた。
有元先生の写真展に行く。新宿御苑から10分ほどの位置にギャラリーはあるが途中迷う。迷った時は、iphoneのGPSを使う。ギャラリーの扉は解放していた。春の陽気で気持ちいい。駅から歩いたので帽子の下の額には汗をかいていた。アップした写真の様に6x6のモノクロ写真が並んでいた。震災後の街のポートレイトだと聞いているが印象は良かった。優しさを感じたし、写っている人との距離が絶妙にいい。僕は、マイノリティの人だと自分で思うが有本先生もマイノリティの人だと僕は勝手に気づいた。浮浪者が何人か写真に登場していたが堂々としていて奇麗な目をしていた。素晴らしい。ギャラリーには誰もいなかったので芳名だけしてギャラリーを後にした。有本先生の自転車があったので恐らくどこかに行っていたのかと思う。

充実した日_e0067850_23362555.jpg


15時 水道橋にいた。
いつものギャラリーに行った。UさんもMさんもいた。ここに来る事は前々から伝えておいた。僕は、ボランティアに行く考えがある事を伝えた。出来れば来週、出来ればGWに。僕にとってこのギャラリーはとても大切な存在でUさんは僕の唯一の年上の友人になる。もちろん元々仕事で出会っている方だから友人というのはおこがましいかもしれないがそう思っている。46歳にもなると年下の付き合いが多くなるものだ。だから年上で遠慮なく話が出来る人というのは財産に等しい。

充実した日_e0067850_23361781.jpg


18時半すぎ 麻布十番にいた。
先週スライドショーを開催したカフェバーだ。スライドショーの時の動画のデータを渡ためと打ち合わせをカフェバーのオーナーのヒロキさんとする。今後ヒロキさんはスライドショーを展開して行くの予定だ。動画のデータは、ポータブルのHDに入れてもって来たが彼の使うWINDOWSには、移せなかった。僕がそのHDをMac用にフォーマットしていたからだった。キャイ〜ンだった。w
ここに来たのはもう一つ理由があった。それは、仙台に家族を残し東京に単身赴任している友人のNちゃんとの再会だった。彼にヒロキさんのカフェバーを紹介したかったし彼の仕事場が汐留なので麻布十番は近いからだった。ヒロキさんにおまかせでディナーを用意してもらった。サラダに時価製パンにツナとトマトのスパゲティを食べた。たまたま今夜は、貸し切りのパーティーがあるので21時前には店を出た。

麻布十番を適当に探索してフレンチスタイルのカフェを見付け、そのカフェの外の席に落ち着いた。外国人の店員がとてもフレンドリーな対応をしてくれて心地よい。僕らは、二人ともダブルエスプレッソを注文した。そしてNちゃんから大震災時の話を聞いた。Nちゃんの家族は無事で家も倒壊しなかった。僕は、安堵した。Nちゃんにボランティアに行きたいがどう思うかと尋ねると「東北人としてはありがたい」と言ってくれた。ではどうやってボランティアをするかの具体的な相談をした。Nちゃん曰く、彼の家から現地へは、車で30分くらいの位置。彼は行ってみたそうだがテレビでは映せない状況がそこにあるという。瓦礫に埋まった死体の一部がまだ随分あったという。その死体には、布をかけてあるそうだ。そしてあたりは、異様な匂いがしてしばらく肉が食べれなかったという。ただボランンティアをしたいならわざわざ宮城まで行く事はない。僕は、見聞録の「見」をしていない。僕には「見」が必要だと思うからボランティアがいいのではないかと思って考えている。

充実した日_e0067850_23361121.jpg


22時 麻布十番駅構内にいた。
フレンチスタイルのカフェを後にして僕らは、麻布十番駅に急いだ。僕の最終バスのためだ。久しぶりの再会を喜び昔話も楽しかった。Nちゃんとはヨドバシカメラ時代の友人なので20年くらいの付き合いになる。駅のホームで電車が車で立ち話をした。話は尽きなかった。僕が乗る電車が来てNちゃんは僕の電車の扉が閉まり動き出すまで見送ってくれた。僕は、Nちゃんにあるお願いをした。その答えは、後日彼からもらえる。待つ事にする。

22時半 新宿駅にいた。
御殿場行きの最終バスに乗った。週末だからかバスは混んでいた。僕は、バスの中で今日を振り返り様々な思案を続けた。御殿場までは100分。後半の時間は、今日買ったゴリラポッドが超!役立った。こんな使い方が出来るんだ!これからのバスの楽しみになる。僕は、youtubeをランダムに観ていた。たまたま検索して見付けたこの映像が印象に残った。youtubeを観ていたらあっという間にバスは東名御殿場に着いた。

充実した日_e0067850_2336486.jpg


0時 御殿場にいた。
あたりは、霧だった。その霧は、とても幻想的だった。僕は、駐車場まで歩き、さてこの霧でドライブが出来るか?と不安になったが初めての霧のドライブでもないので愛車アーティをゆっくり走らせた。40km/hくらいで走行すればなんとかなる。茶畑庵までのドライブは、約30分。友人のDJのアンビエント・ミュージックが霧によく合った。途中案の定というか霧の為に視界を失い道路脇の水溝にタイヤを填めてしまった車を発見した。すでに運転手は助けを求めてかその場にはいなかった。こういった光景は、霧の静岡で時々遭遇する。僕は、大丈夫だった。茶畑庵に近づくに付けて標高も下がり霧も薄まっていた。

充実した日_e0067850_23355370.jpg


そして茶畑庵に到着。

イベントはまだあった。ここ最近Skypeですれ違っていたニューヨークに住むJAZZミュージシャンのTとテレビ電話(という言い方でいいのかな?)で話した。ニューヨークでは、義援金ライブが沢山開催されていてよく駆出されるという。僕がボランティアの話をすると「ボランティアというのは誰にも迷惑をかけないでするものだ。友人(Nちゃん)を頼るとNちゃんが松谷にボランティアする事になるぞ」そう言われた。冷静になった。確かにそうだな。今日Nちゃんにお願いしたのは、Nちゃんの家に泊まる事は可能なのかという相談だったのだ。「ボランティアをしたいと言われれば断りづらいだろ、俺が日本人だから義援金ライブに出るのは当たり前だろと周りから依頼されて断りづらいのと同じだよ」義援金ライブだけでは彼は生活は出来ないのだから。

4時半 布団に入る。
充実した日だった。"自分が出来る事"はなんだ?"自分がしたい事"はなんだ?独りで考える時間も重要で貴重だが今日の様に人と会って意見を聞くと考えが明快になって来る。ボランティアについてもう少し掘り下げよう。大震災に対しボランティアと「見」というカメラマンとしての業。そのどちらが優先なのか?もう一度良く考えよう。

"自分が出来る事"はなんだ?"自分がしたい事"はなんだ?

毎日毎日そればかり考えている。行動はどの矛先に。

おやすみなさい。

by helloharuo | 2011-04-15 23:59 | EARTHQUAKE


<< 良い週末を      状況は同じ、これからもさほど変... >>