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茶畑庵日乗 Diary From the Chabatake Hermitage

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2012年 01月 24日

Novel

Tuesday 24 January 2012 晴れ(静岡、東京)

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ハルオは、気にかけていた。行こうか行かまいか?それは今夜開催される講義だった。昨年暮れにHさんが彼女を連れて茶畑庵にやって来た時この講義の話を教えてくれた。それは「手づくりの旅・手づくり人生のすすめ』というものだった。仕事で東京に行くのなら交通費が支給されるが、個人での上京は自腹で行かなければならないからだった。ハルオは、日々倹約を心がけている。静岡という東京から離れた土地に住んでいるから致し方ないのだ。あれもこれも行けない。講義には定員15名。この数字は、Facebookで情報を得るのだがこの1週間都度チェックしていた。昨日でその定員は満たされていた。だから半ば諦めていた。しかし、今朝確認してみると1人欠員が出た。「あ〜これはいけってことだな」ハルオはそう思った。そしてよくよく明日のスケジュールを考えてみると更に上京するに当たって問題が生じることがわかった。それは仕事仲間との新年会があることだった。新年会ということは、お酒を飲む。「飲んだら乗るな」なのだ。ということは、いつもの御殿場までの車運転と違い電車で上京しなくてはならない。明日のスケジュールは、朝9時20分から学校に出講、夕方5時から新年会だった。しかしなんともいかんいかん、始発に乗っても学校には間に合わない。この時点でアウト!だった。新年会に出席するには前乗りにするしか方法はない。「よし!それならば今夜の講義に出て、新年会も楽しもう!」ハルオは、そう決めた。早速Facebookで参加表明をした。

さあ、1泊の準備が進められた。夏ではないので1泊なら下着の着替えは用意しない。いつもの日帰りと違うポイントは、ポケットwifiの電源を持って行くことだった。忘れずにカバンの中に入れる。逆算をして講義の時間8時に麻布十番にいくためには、4時21分の電車に乗る。ハルオは、お昼近くに目を覚ました。そして食事、その他雑用に時間を費やし、上京行きを決めたのは、1時を過ぎたころだった。きょうどんなファッションで行くか直感で考え茶畑庵を後にしたのは、2時10分。歩いて裾野駅に行くには、約10分かかる。駅まで道のりを小走りで急いだハルオだった。

裾野駅は、御殿場線内でもっとも古い駅のひとつで昔ながらの趣がありハルオは気に入っていた。その駅の裏側の改札口に到着するとすでに国府津行きの電車は停車していた。ハルオは、急いで自動券売機で切符を買い線路を渡り電車を乗ろうとすると電車は、動き出してしまった。キャイ〜ン!だった。ハルオは、出発時間を微妙に間違えていたことに気付いた。出発は、4時23分ではなく4時21分だったのだ。今日のファッションは、マウンテンハットを冠っていたが落胆してベンチに座ると額から汗が出ていることを感じた。標高123.7mのこの冬まっただ中というのに。「仕方ない、次の電車を待つとしよう」ハルオは、選択はそれしかなかった。次の電車は、4時49分。この電車に乗って東京に行くことは不可能だとハルオは、iPhoneのアプリ"駅すぱあと"で確認した。それならば、御殿場駅で降りて高速バスの乗ろう。こういった交通手段のやりとりをしてハルオは、東京と静岡の行き来を3年以上も続けているのだった。

ハルオは、8時前に麻布十番のお店NCに着いていた。この店は、Hさんが1人で切り盛りしている店で昨年末1周年を迎えた。縦長の店内で入り口近くにバーカウンターがあり20人も入ればいっぱいになってしまう空間だがHさんの旅の写真が壁の所々に展示してあり食事も美味しい。今夜の講義をされる方は、清水透さん。

とまあ、小説風に書いてみたがこんな書き方してたら時間がかかって仕方ない。諦めることにする。何か他の方法を模索しよう。

清水さんの講義はとても共感出来た。キーワードをここに挙げる。
1964年、シンポジオン(シンポジウムの語源)、東京外語大学、学問、ラテンアメリカ地域研究、自分にとって役に立つ学問とは?、一旦止めるとすべてが楽になる、自分の手作りの旅をすれば出会いがある、新しい分野に行けば生徒になれる、東京オリンピック、企業からお金を集めて船でアメリカそして中南米へ、大量消費社会、高速道路、車社会、ラジオからテレビへ、夢が叶うと思った、道路から土が消えた、地方の過疎化、テレビを観ながらご飯を食べる、ラーメン50円、国立大の授業料年間9,000円、翻訳のバイト1時間4,000円、冷戦時代、死のグローバル化、格差、エルサルバドル、東京都と同じ土地の農場に1,800人の労働者、(映画「怒りの葡萄」を思い出す)日本⇄メキシコ15時間時差も15時間、1973年メキシコへ留学3年、人種差別、ちぇ、インディオが、女性解放論者、おい酒!、素人だからといって遠慮することはない、専門領域の常識、落差、チアパス州、チャムーラの空間意識、大地のヘソ、冷たい土地、熱い土地、未知の土地、征服の枠組み、アメリカにとってイスラムとは?文明中心と野蛮、医者との信頼関係、命が見える、村を離れてアメリカへ、砂漠越え、5000人以上のインディオが死んでいる、リトルチャムーラ、Skype、人探し、23歳の娘を亡くす、スピーチ、他者理解、寄り添えることは出来る、子供を置き去りにした、AFS、気功、演劇、写真、手相、日本の常識との違い、YAMAHAのアコーディオン、電気のあった時代ない時代、文献には残らない、核をを廃棄するノウハウを知らないまま作った、チャムーラから学ぶこと、手作り、寄り添う、自分たちの生き様をどうする?山小屋、薪ストーブはエコか?、過去をちゃんと知る、石遊の湯、便利なこと→どこまで?、脳死判定、深夜放送をやめよう、知らない間に無駄、権利意識は作られている、不妊治療、20%成功、80%の卵細胞は?、女性の権利拡大するというかに見えるが、臓器移植反対、医療高度化は、金持ちのために、骨髄バンク、医療ミス、NAOテクノロジー、丹田、近代+伝統医療、カトリック教会、詩の朗読、、、、、、、、、、、、、、、。

とまあこの言葉を膨らませれば講義の内容がどれほど勉強になり、どれほど共感出来たか想像出来るだろう。僕が11月に講義をした時に出会った男性2人も今回の講義に参加されていて再会が出来て嬉しかった。

12時過ぎ、そろそろお時間となりました、ということで大江戸線の終電に4人で乗った。あきちゃんとその友人の方と僕。その中にも清水さんもいらっしゃったから新宿まで同行した。電車に乗っている間も清水さんから貴重な話を聞いた。

さてここからが魔の時間の始まりだ。
新宿駅に終電が着いて僕とあきちゃんは、電車を降りた。降りた瞬間僕は、気付いた。

網棚にカバンを忘れた!!!!!

駅員さんにお願いして終着駅の練馬魔での駅に問い合わせた。その間30分。見付からない。
あきちゃんには、彼女の友人の方に電話やメールで問い合わせてもらった。

これも書いてると大変なので簡潔に。

カバンは、あきちゃんの友人が預かってくれていた。
ホッとした。
一生懸命探してくれた駅員さんにお礼を言って僕とあきちゃんは、大江戸線の新宿駅を出た。そして僕はあきちゃんに現金4,000円をお借りして予約してあった歌舞伎町のカプセルホテルへ向かった。

やれやれ、また濃い1日を過ごしてしまった。
カプセルホテルではやはり眠れなかった。
ジョンレノンのドラマ?がテレビでやっていた。
枕が堅くて高い。
誰かのいびきが聞こえる。

キャイ〜ン、おやすみなさい。

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Today's Fashion #24012012 Photo by AN
無くしたカバンを持っているふりをしている。反省している。
ダメダメで後ろ向き。

by helloharuo | 2012-01-24 23:59 | COLUMN


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